桜新町 宝蘭 清く正しい町中華の名店

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町の中華料理店は、急速に減ってますなぁ。
60sから70sに、急増した個人経営の中華料理店。
80sからリーズナブルなチェーン中華が定着する上に、90sにはマスターが引退される年齢になられて。
マスターとともに常連客も高齢化で、こってり中華から客離れ。
ぎょうさん食われへんようになるんです。
歳とると。
んで、
2代目は店を継がず。
息子がもし修業してても、違う店にしてしまう。
バールやカフェみたく洗練した店に。
そのまんま継いでくれよ。
息子はん。
せやから、
閉めんとしゃーないわけですな。
営業続ける店は、100%老体に鞭打つ御主人が頑張る店ばっか。
おそらく、
後10年したら、
弟子を育むレストラン中華かチェーン中華だけになってしまうんやろ。
町食堂や町洋食も同じやけど、
これって絶滅寸前やね。

町の中華料理店は、中華レストランとは違う独自の完成度を磨く道を歩む。
まずは、中華そば。
町中華の中華そばはあくまでもシンプルな鶏ガラ醤油の完成形を追求。
具はチャーシューとモヤシとネギ。
あとはノリかな。
餡掛けも普及してるけど、海鮮などの具を追求するレストランとちがって、タンメンやチャンポンなど、チープな野菜炒めのトッピングに走る。
豚骨はないけど時代のトレンドの味噌ラーメンは、同じ野菜炒めてトッピングやから、ちゃんとラインナップ。

次にチャーハン。
実はこれが町中華のシンボルちゃうかいな。
焼き豚や具材タップリ、パラパラ仕上げのレストランと違うのは、安いハムと科学調味料の味のバランスと、時には炊きたてご飯でしっとり仕上げもちらほら。
ハムチャーハンの美味い店減りましたなぁ。

更に力が入るメニューが焼き餃子。
水餃子や焼売はあんまり無いのに、焼き餃子は必須。
この辺が、もっとも日本的なんやろね。

そんなことばっか考えてる僕にとって、桜新町から歩いて5分ほどの弦巻にある中華料理店を見つけた時、かなりテンションがあがりましてん。

宝蘭。

桜新町 宝蘭 清く正しい町中華の名店
散髪屋みたいに回るPOPが最高です。

散髪屋みたいに回るPOPが最高です。
店は極めて綺麗や。
てか、

80sくらいに改装された感じで手入れがゆきとどいたみたいな。 よくあるギトギト感一切なしの現役バリバリですな。

80sくらいに改装された感じで手入れがゆきとどいたみたいな。
よくあるギトギト感一切なしの現役バリバリですな。

厨房には、やはりお年寄りのご夫婦?
いつまでも頑張っていただきたぁ~い。
お客さんも賑かに、よう流行ってはる。
見事な。

町中華としては、メニューも豊富。
炒めものも充実ながら、メインはニラモヤシ系や野菜炒め。
清く正しいお店やん。
ビールに回鍋肉、
第2ステージで一番気になってた担々麺 麺少な目と半チャーハン注文。
ホール係の娘さん?もナイスというより極めて礼儀正しい接客。
レストランみたいな。

回鍋肉ガッツーん。

回鍋肉ガッツーん。
さすがな町中華。
読んで字の如く、別鍋で上質豚バラと野菜を上げたのと、これまた別鍋で茹でたキャベツを、ひとつの鍋で豆チ味噌で仕上げた。
丁寧かつ本格派。
きちんとしてんなぁ。
あっちゅーまに第1ステージフィニッシュやんけ。

第2ステージ。 担々麺 麺少な目登場。

第2ステージ。
担々麺 麺少な目登場。
やっ!
クラシックス!
この担々麺、
芝麻醤に粉状の白胡麻と違ごて、白煎り胡麻。
んで、
粉末唐辛子やなくてラージャンで仕上げた、おそらくよくある担々麺が完成する前のスタイル。
どーしても思い出せん、このパターンどっかで食ったんやけど。
そもそも日本で普及する担々麺は、中国にはないらしいですな。
中国の担々麺は四川発祥で、ラー油の辛いカスを具とした、鹹水なしの白い麺をベースとした汁なし屋台料理。
香港では、これが進化してラージャン入り汁麺があるらしいけど、やっぱり鹹水なしの白い麺みたい。
削り麺や餃子の皮みたいなんやな。

日本の担々麺は、陳建民が創作したんやて。
中華レストランメニューなわけね。
そういえば、町中華の担々麺はこちらのとも違うジャンキーなのが多いか。
共通するんは、辛いミンチ炒めか。
チンゲン菜なんて町中華の仕込みにないわな。
宝蘭のは辛ミンチもないし。

麺が中華玉子麺やけど、極細の特注やな。
御主人のこだわりか?
中華麺に似たわずかな縮れながら、太さは博多に近いけど堅くはない。
ほんのり歯応えも残す素晴らしい茹で加減やし。
食べてる最中に延びることもおまへん。
あっちゅーまに延びる大阪揚子江ラーメンと違うところ。
揚子江は延びて美味いけど、担々麺やから、延びない歯応えがいけまんな。

そして来ました、
町中華のシンボル チャーハン!

町中華のシンボル チャーハン!
今日はこのまま、5口くらいで完食してしもたやん。

上品かつ薄味、ハムやないけどチャーシューがアクセントの、嬉しいしっとり系やんかいさ。
美味すぎ。
いろいろ薬味かけたくなる僕なんですが、今日はこのまま、5口くらいで完食してしもたやん。

かーっ、見よこのレンゲ。

かーっ、見よこのレンゲ。 カユイところに手が届きまんなな。 穴あきですわ。

カユイところに手が届きまんなな。
穴あきですわ。

さすが、きちんとしてまんなぁ。

フィニッシュ間近の担々麺にはミンチがぎょーさん。
これをすくいたかったんよ。

フィニッシュ間近の担々麺にはミンチがぎょーさん。 これをすくいたかったんよ。

ぎゃーっ、美味っ。
以外と薄味ミンチ。
優しく上品。
けど、これスープ飲めんのかいな?

安心してくださあーい。
大丈夫でしたわ。
なんと、すくったミンチが穴をふさいで、普通のレンゲに早変わり。
まさか、これ計算されてるんか?

2016/04/10 (日)

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